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2010年7月 6日 (火)

天然ウルトラマリン

新作の猫です。


201007_01

今回は瞳の部分に天然ウルトラマリンを使用してみました。

少し専門的な話になりますが、
ウルトラマリン(ラピスラズリ)と言えばフェルメールがよく使用していた事で有名な色ですが、今、一般的に出回っているウルトラマリンは、中世の頃と違って化学的に合成されたもので、今回私が使用したウルトラマリンは、画家の鳥越一穂さんがラピスラズリの原石から苦労して抽出されたものです。
今年の正月に鳥越さんの所に遊びにいった際に頂いてきました。

天然ウルトラマリンの抽出過程は鳥越さんのブログで詳しく紹介されていますので是非どうぞ。

とりロジー:天然ウルトラマリンの抽出

ラピスラズリの原石を砕いて粉末状にし、樹脂と蝋を混ぜ合わせた物をアルカリ水溶液の中で溶かし、顔料を抽出するという気の遠くなるような作業です。
しかも、道具も手作りされていたりと、まさに汗と涙の結晶です。中世ではウルトラマリンが金と同等以上の価値を持っていたというのも頷けます。

鳥越さんの話を聞くまでは、単にラピスラズリを砕いた物が、天然ウルトラマリンだと勘違いしていましたが、このような行程を経ないと本来のウルトラマリンの輝きは出ないようですね。
BLOCKX(ブロックス)から出ているラピスラズリという絵具がおそらくラピスラズリを砕いただけの物だと思いますが、全く違う色味をしています(この絵具もとても穏やかな色で私は気に入っていますが)。
かといって人工ウルトラマリンの鮮やかすぎる色でもなく、非常に綺麗な色です。
うーん、表現が難しいですね。

ただ、私の作品を実際に見られて、こんなものかと幻滅しないようにお願いします(汗)
効果の程は、是非、鳥越さんの作品を直にご覧になって下さい。

料理と同じで素材を生かすも殺すも自分の腕次第で、いい材料もその魅力を引き出す腕があれば、素晴らしい効果が生まれますが、技術を伴わないとただの宝の持ち腐れなので、あまり大きな口は出来ません。

こんな話でも、もっと説得力が出るように、私も腕を磨きます。

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コメント

凄いですね。そんなにながいながい過程を通してできた色・・・一度見てみたい気がします。
画像で見ても、いやすごいきれいです。たぶん、実際に見てみたらもっときれいなのでしょうね・・・。自然が恋しいこのごろです・・・。
都内で個展やられる時は、ぜひ遊びに行かせていただきます。がんばってください♪

投稿: 大仙 | 2010年7月 6日 (火) 21時00分

大仙さん

お久しぶりです。

コメント頂き、ありがとうございます。
個展の際は、お知らせしますね。

またお会いできるのを楽しみにしています。

投稿: ヒキダ | 2010年7月 8日 (木) 10時23分

私も天然ウルトラマリンは、単に原石を砕いた物と思っていました。

それにしても、「樹脂と蝋をアルカリ…」という過程は、どの本にも書いていない事なので驚きました!
メーカー製品とも発色が違うということは、メーカーの方でも知らないようですし、その抽出工程を見つけた人は、本当にすごいですね。

しかし、、、本当に手間が掛かりそう。。。(@_@;)
鳥越氏もすごいです!


東京へは行けませんが、個展、頑張ってください。

投稿: はる | 2010年7月11日 (日) 01時18分

コメントありがとうございます。

ホルベインから数量限定ですがラピスラズリから抽出した天然ウルトラマリンを使用した水彩絵具が出ているので、メーカーの方はご存知だと思いますよ。
ブロックスの絵具は、あくまでラピスラズリであって、間違いではないのではないかと。まあ、紛らわしいですよね。

あと、一応チェンニーニの本には抽出方法についての記述はあるみたいですよ。ネットでの受け売りですが。

投稿: ヒキダ | 2010年7月14日 (水) 12時11分

遅まきながら…
現物拝見すると自製ウルトラマリンの特徴が出てましたね。
顔料径がマチエールに響くのは避けられないので、グレーズ用に水簸するなど更なる手間が必要かも知れません。

ブロックスからは天然ウルトラマリンも出てる(出てた)様で、阿佐美の先生が持ってました。

投稿: TORIさん | 2010年8月29日 (日) 01時49分

>TORIさん

そうですね、色々と試してみます。
また、作品に使ったら、ご報告しますね。

投稿: ヒキダ | 2010年9月 1日 (水) 13時22分

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